Company Tank Interview
隊員育成に注力し組織を強化する
警備業へ転身した女性社長の躍進
代表取締役 新谷智恵
30年にわたり大阪の美容業界で活躍。急逝した父の跡を継ぎ、2016年に北海道エルム警備保障㈱の2代目代表に就任する。自社の事業の右も左もわからい状態から一念発起。持ち前の明るさと時代の流れに合わせた柔軟さで、同社を躍進させている。
石黒 女性である新谷社長が、警備会社の経営をしていらっしゃると伺って驚きました。
新谷 自分でも会社を引き継いだときに驚きました(笑)もともと当社は父が1984年に創業しまして。私自身は、北海道や大阪で30年ほど美容業を営んでいたんです。ところが2016年に父が急逝したんですよ。当初、私は経営を引き受けるつもりはありませんでした。しかし、やはり父が築いた会社を守り抜こうと代表就任を決意したんです。
石黒 当時は、警備の仕事がどのようなものか知らない状態だったんですか?
新谷 はい。でも心配してるだけでは前には進めませんから、目の前の問題を一つひとつ解決してきました。
石黒 就任以降、ここに至るまではご苦労が多かったでしょうね。
新谷 そうですね。父と同じことをしても周囲から認めてもらえません。でも私は嫌なことも楽しめる性格なんです。分からないことは素直に人に教えてもらったり、できる人に頼ったりしながら、優秀なスタッフを育成したことで、強い組織へと成長することができました。
石黒 どのようなポリシーで組織強化に努めてきたのかをお聞かせください。
新谷 スタッフを大切にし、一人ひとりの長所を伸ばすことでしょうか。全てにおいて完璧な人はいないので、ダメなところばかり見るのではなく、良い部分を伸ばすよう心掛けています。また、できない理由を考えるのではなく、できるように努力する意識を持たせることも大事にしていますね。私自身、周囲の方々に育てて頂きました。「立場が人をつくる」とよく言いますよね。当社のスタッフにもそのような自覚を持って成長していくことを大いに期待しているんです。
石黒 警備業ならではの課題も多いのではないでしょうか?
新谷 ええ。昔の警備業と違い、今は現場に出る隊員に資格や技術が求められています。お客様にご迷惑をお掛けしないためにも、新人をすぐに現場に出すわけにいかない時代になりました。ですから育成に力を入れ、スタッフごとの性格を見極めながらスキルアップを図っているところです。今後もリピートのご注文を頂けるよう、コツコツと信頼を積み重ねていきたいですね。
石黒 社長がその先に目指すことについて、ぜひお聞かせください!
新谷 スタッフみんなが、家族のように笑いながら元気に仕事ができる会社であり続けること。そして、「エルムに頼めば間違いない」と言って頂ける会社になることです。また、オリンピックを控え増加しつつあるニーズにお応えするため、女性スタッフも増やすなどして業界の認知度を高めたいですね!